序文 執筆動機


  この文章を読んでもらいたい人

  ・とにかくゲームを完成させたい人
  ・自分が面白いと思えるゲームを製作したい人
  ・他人が面白いと言ってくれるゲームを製作したい人
  ・ゲームコンテストで入賞するゲームを製作したい人


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 ゲームも他の分野の作品と同じで、積み上げ的要素が多分にあります。だからこそ、ゲーム製作論が必要です。ただ現実には、私を満足させるような製作論はそれほどありませんでした。このことは私にとって非常に不満足なことでした。そこで浅学ではありますが、面白いゲームを作ってみたいと考える人の何らかの参考になればと思い立った結果に、この文章は執筆されました。この文章は、『いかに面白いゲームを作るか?』ということを中心議題としています。そのため、プログラム的内容等は一切含んでいないので、ご注意ください。

 私は『温故知新』という言葉が好きなのですが、どうもゲームに関しては過去のゲームの製作手法があまり言語化・文章化されていないような気がします。つまり、それはゲームの核心を他者に簡単に真似されては困るということなのでしょう。しかし、過去のゲームの製作手法が言語化されないことで、その製作上の知識が丸々と次の世代に断絶してしまい、ゲーム全体を考える上では大きな損失になるのではないでしょうか。

 そこで、故きを温め、新しき知るために、過去のゲームや書籍・ネットの情報や私の体験や考えなどからゲーム製作に有用と思えることをこの文章に幅広くまとめてみました。特に重要だと思える部分をあなたなりに考えてみて、実際の製作に活かしてください。一応、ビデオゲームだけではなく、ゲームと呼べるものは広く意識して書いたつもりです。

 私の最も期待していることは、この文章を読まれた方がより面白いゲームを製作してくれることです。是非是非、歴史に残るような名作ゲームを製作してください、そして、そのゲームで私を楽しませてください。そのことこそが私の執筆動機の1つだからです。なお、ここに書かれたことは完璧と呼べる代物ではないので、これを踏み台にして、より良い製作論を産み出してくれることも期待しています。

 『とにかくゲームを完成させたい人』、『自分が面白いと思えるゲームを製作したい人』であるならば、1章と2章を主に参考にしてください。『他人が面白いと言ってくれるゲームを製作したい人』であるならば、1章から4章までのことを主に参考にしてください。『ゲームコンテストで入賞するゲームを製作したい人』であるならば、すべての章をまんべんなく参考にしてください。

 人間は一度に多くのことはできませんので、少しずつ段階を経て、製作者自身が成長することも大切です。この文章を読まれた方が少しずつ着実に面白いゲームを製作できるようになることを私は期待し、祈念しています。この文章が読んでいる方の何らかのお役に立てれば幸いです。



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